教室員インタビュー Interview
消化器外科 上神 慎之介(平成13年度卒業 アメリカ留学中)
■なぜ、外科を専門に選ばれたのですか?
学生時代から外科に興味がありましたが、「外科治療しか選択肢がないこともある、外科は最後の砦だ」と話されていた先輩外科医の言葉に感銘を受けました。
また、患者さんが手術を受け病態が改善して退院していく姿を見て、自分もこうした治療を行いたいと思いました。
■第一外科はどんな教室ですか?
心臓血管外科、消化器外科、小児外科に分かれていますが、とても雰囲気の良い教室だと思います。各領域の経験豊富な専門医が多く在籍しているので、幅広い知識が習得できることが魅力だと思います。また大学病院はもちろん関連施設でも、多くの症例を経験できるので、早期に外科専門医をはじめとした各種専門医資格を取得することが可能です。
■研修医の頃のお話を聞かせてください。
私の頃は、まだ現在のような研修制度がなく、いわゆる直入局制度でしたので、入局したその日から外科医でした。入局して6ヶ月で関連病院に出向しましたが、とにかく毎日忙しく、帰宅するより医局で寝ている方が楽で、よく泊まっていたのを覚えています。この時期に、手術はもちろんですが、検査、診断、手技、周術期管理など、外科医として必要な知識や技術を先輩方に熱心に指導していただき、多くの症例を経験できたことは、今でも自分の糧になっています。
■大学での研究内容について教えてください。
第一外科では以前より外科感染症の分野で多くの先輩方がすばらしい業績を残されています。私は大学院に入学しましたが、普段は医科診療医として大学病院で診療を行いながら、抗菌薬に関する臨床研究をさせていただきました。具体的には抗菌薬を静脈投与したあと、血中と標的臓器での濃度の経時的変化から薬物動態を推定し、それをもとにモデルケースを作成して抗菌薬の最適な投与回数と投与量を決定するものでした。
■留学先ではどのような研究・生活をされていますか?
私は、2014年10月より、ミネソタ大学の大腸外科に留学しています。私の場合は研究室に所属するのではなく、実臨床に近い形で研修させていただいています。外来や手術室の見学、カンファレンスの参加などを行いながら、ミネソタ大学の直腸癌手術症例に関する臨床研究を行っています。日本とアメリカの医療、教育、研究環境の違い、文化や考え方の違いなど、留学して初めて知る部分も多く、とても刺激を受けています。また日本ではあまり目にしない手術やロボット手術も盛んに行われているので非常に勉強になっています。
アメリカ生活ですが、日本で臨床をしていたときと違い、週末が自由になるので、家族とゆっくり過ごすことができます。子供達と遊んだり、観光に出かけたりして楽しんでいます。
■学生さん、研修中の先生方にメッセージをお願いします。
外科には興味があるけど、「きつい」「しんどい」といったイメージを持っている人が多いようです。確かに楽しいときばかりではありませんが、それ以上に「やりがい」を感じられると思います。若い先生達と一緒に仕事ができるのを楽しみにしています。