広島大学大学院 医系科学研究科 外科学

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漏斗胸に対する腹腔鏡を用いた手術

漏斗胸は男の子に多い病気で、胸の形の変形をきたします。

 

PS10.1.jpg

胸の形が先天的に膨らんでいると鳩胸

先天的に凹んでいると漏斗胸といいます。

 

漏斗胸では胸壁によって心臓が圧迫されることにより、不整脈や運動した時の呼吸困難を来すことがあります。

また、本人が胸郭の形を気にする場合も治療の適応になります。

              PS10.2.jpg

漏斗胸が著しい児のCT画像。

背骨と肋骨の間で心臓が圧迫されている。

 

漏斗胸にはバキュームベルという吸引装置を胸につけて毎日吸引して形を整えていく治療もありますが、非常に長い時間をかけても効果は限られています。

 

漏斗胸に対する手術治療は、以前は胸を縦に切って形成をしていましたが、

・手術時間が長い

・出血が多い

・胸の真ん中に傷が残ってしまう

という問題点がありました。

 

当科では漏斗胸に対する手術法はNuss法という、胸腔鏡手術で胸にチタン製のバーを挿入して持ち上げる手術を行っています。

                 

バーを挿入したあとのレントゲン写真 手術後の外観 胸が持ち上がっている
PS10.3.jpg PS10.4.jpg

 

Nuss法の手術は胸腔鏡で見ながらバーを挿入するため、

・傷が左右になって小さく目立ちにくい

・比較的きれいに持ち上がる

という良い点がありますが

・バーを抜くために2-3年後にもう一度手術が必要である

という問題もあります。

 

バーを挿入する手術の後の1-2週間は痛みがあるため、しっかりとした痛みのコントロールが必要です。

再発を避けるために、手術の時期は10歳前後が推奨されています。

 

胸の形でお悩みがあれば、一度ご相談ください。