広島大学大学院 医系科学研究科 外科学

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おへそを新しく作る手術

小児外科で新生児期に手術を受けたお子さんの中には、どうしても「創部が気になる」という方がいます。

最近では傷がほとんど残らない術式も多くなってきましたが、特に命にかかわるような緊急の病気の時には、傷跡にこだわっていられないような場面もあったりします。

 

そんなお子さんたちの中でも、特に「腹壁破裂」や「臍帯ヘルニア」という病気が治った後で、おへそがきれいに形成されていないことを悩むお子さんがいます。

このような疾患では、元々おへその部分に病気があるため、手術で治った後におへそがなくなってしまうことがあります。 

PS14.1.jpg

 腹壁破裂の術後

 瘢痕があり、おへその凹みが形成されていない

 

PS14.2.jpg

 臍帯ヘルニアの術後

 救命のため一旦皮膚で臓器を覆っている。

 大きな腹壁欠損が残り、臍は形成されていない

 

このようなお子さんに対して、成長して少し体格が大きくなったところで、臍の形成を伴う手術を行っています。 

臍の形成手術(おへそを新しく作る手術)の方法はいくつかありますが、なかなか最善の方法は決まっていないのが現状です。

小児では成人とおへその形が違い、成長とともに縦に伸びていくため、成人と同じ手法での臍形成手術は適していません。

また、臍の位置をきちんと考えて作らないと、成長したときに臍の位置が上すぎたり、下すぎたりとずれてしまいます。

当科ではこどもの臍に詳しい医師がお子さんの現状に応じておへその形成を考えていきます。 

 

PS14.3.jpg

腹壁破裂術後の臍形成(手術直後)

瘢痕部分を切り取り、臍を形成している

創部はテーピングにより次第にきれいになる。