【心臓血管外科】手術統計
心臓血管を扱う総合病院として、心臓、胸部大動脈、腹部大動脈、末梢血管など、多岐にわたる治療を行っています。歴史的に不整脈の専門家を輩出しており、ペースメーカに関する治療も継続しており、感染を起こしたペースメーカの抜去術は、当院に集まってきております。透析に使用する内シャントの作成や、下肢静脈瘤に対するレーザー治療なども行っております。
広島大学病院では、2015年に経カテーテル大動脈弁移植術(TAVI)、2021年に経皮的僧帽弁修復術を導入し、主に高齢者を中心に積極的に治療を施行しております。カテーテル治療がよいのか、開胸手術が良いのかは、それぞれの患者さんの状態を検討して、最良の方法を選択するようにしておりますが、年齢および心機能低下が適応の境界を決めているのが実際です。新しい治療法の出現により、やや外科的開胸手術は減少していると言えます。
2018年の保険収載を受けて、広島大学病院でも2019年より本格的に低侵襲手術を開始しました。当初は、現在浜松医科大学心臓血管外科教授である岡本一真先生に、手術の準備から術式、周術期管理についてご指導いただきました。現在では、広島大学病院の標準術式として施行しています。
しかし、すべての患者様に対して適応可能ではなく、動脈硬化の強い方、心機能低下の著しい方、肺機能の低下している方、心機能は保たれているものの大動脈弁閉鎖不全症が著しい方、扁平な胸郭の方などは、正中切開での手術が望ましいことがあり、両方の長所短所を比較しながら、最終的な手術術式を決定しております。