低侵襲小児心臓手術
当科では、小児先天性心疾患手術・成人先天性心疾患手術を行っております。
小児心臓血管外科手術においては、安全性を第一に、患児にかかる負担を極力少なくするような手術(MICS(Minimally Invasive Cardiovascular Surgery)=低侵襲心臓血管外科手術)を行っております。
具体的には、心房中隔欠損症(ASD)は、カテーテル治療が不向きの子には、胸の真ん中を、身長の約6%の長さ(身長100cmの子ならば、6cm)だけ皮膚を切開し、他部位(足の付け根、首など)は切開することなく、手術しております。クリニカルパスを用い、通常であれば、4日間で退院していただいております。
動脈管開存症(PDA)は、太くてカテーテル治療ができない場合、左胸をごく小さく切開(1.5cm程度)するだけで、胸腔鏡を併用し、2〜4か所の穴をあけるだけで、動脈管を閉鎖しております。大きく胸を切っていませんので、通常、翌日退院していただいております。大きくなっても、胸郭の変形等もきたさず、傷も目立ちません。
成人先天性心疾患は、現在も小児心臓血管外科医と、大人の心臓血管外科医の密接な連携のもと治療に当たらねばならない疾患群であります。
当科では常に、チームとして診療に当たっており、成人先天性心疾患によく合併する心房細動、心房粗動に対しても、メイズ手術を積極的に取り入れ、より良い治療を行っております。