教室員インタビュー Interview
消化器外科 近藤 成(平成11年度 卒業)
■なぜ、外科を専門に選ばれたのですか?
自分はもともと「癌の治療」に興味がありました。外科は、手術で癌の患者さんを助けるのはもちろんですが、化学療法や緩和ケアといった治療にも携わります。大変なのですが、それだけ患者さんと深い関わりができるような気がして、外科を選びました。
■ 第一外科はどんな医局ですか?
第一外科は、向上心があれば、どんどんいろいろなことにチャレンジする機会を与えてもらえる医局だと思います。
自分の例で言うと、留学する機会も与えていただきましたし、出張先の関連病院でもいろいろ指導していただき、大学院に帰学する前には、外科学会専門医、消化器外科学会専門医、内視鏡外科技術認定といった、資格を取るのに必要な症例数や業績も得ることができました。
■研修医の頃のお話を聞かせてください。
私が研修医の頃は、毎年10人くらい入局者がいたのですが、なぜか自分の学年は3人しかいなくて、非常に忙しかった思い出があります。しかし、その分いろいろな手術や手技をたくさんさせてもらえたので、今となってはいい経験になったと思っています。
■大学での研究内容について教えてください。
第一外科では、膵癌に対する手術を中心とした集学的治療を多く行っており、手術後は通常、補助化学療法を行います。ジェムシタビンとS-1という抗癌剤を投与するのですが、私の大学院での研究テーマは、これら2種類の抗癌剤の効果を予測する因子を、手術の切除標本を用いて分子生物学的に同定するというものです。当初にも申しましたように、私は元々「癌の治療」に興味がありましたので、自分の興味に沿ったテーマで研究をすることができました。
■留学先ではどのような研究・生活をされていましたか?
2011年6月より6ヶ月間、メイヨークリニックの肝胆膵外科にて研修をする機会を頂きました。
通常、留学といえば研究室(通称ラボ)に入って、基礎医学の研究や実験を行うことが多いのですが、私の場合は臨床で研修を行いました。具体的には肝胆膵外科の手術見学と臨床研究を行っていました。また、週3~4回のカンファレンスにも参加し、アメリカでの臨床を経験する貴重な機会となりました。手術見学では、腹腔鏡での膵頭十二指腸切除など、日本ではほとんどみることのできないような手術も見ることができました。
また、臨床研究ではメイヨークリニックでの膵臓手術症例の術後経過を調査・解析しながら、日米の医療や教育・研究環境の違いを実感しています。
忙しい毎日をでしたが、週末には家族と車で、周辺の観光地やレジャー施設に出かけたりして、アメリカでの生活も楽しむことができました。
■学生さん、研修中の先生方にメッセージをお願いします。
第一外科はチャレンジ精神にあふれる若手の先生にとっては、いろいろな経験ができとても良い医局だと思います。私も、そんな若手の先生と是非一緒に仕事をしたいと思います。