教室員インタビュー Interview
心臓血管外科 片山 桂次郎(平成13年度 卒業)
■なぜ、外科を専門に選ばれたのですか?
学生時代から外科医になりたいと思っていました。もちろんいろいろ検査を行って、診断に結びつけ治療方針を決める内科にも興味をもっていましたが、せっかく医師になるのであれば、技術、知識を身につけ自分で手を動かし治療を行う外科は魅力でした。
■第一外科はどんな教室ですか?
ものすごくアットホームな教室です。当科は心臓血管外科、消化器外科、小児外科のチームに分かれていますが、各チーム間の連携も強く、また専門性の高いSpecial集団です。
私は、心臓血管外科を専門としていますが、例えば消化器外科領域で困った時などいつでもどんなことでも仲間に相談できます。個々の外科医が各関連施設でレベルの高いトレーニングを受け、然るべき専門資格を取得しています。また各領域で研修を受けてきている外科医が多いのでグローバルな知識をもったGeneralistに近い外科医が多いのも当科の特徴です。
当科は“For the patient”、患者のためなら身を粉にして邁進する。そんな熱い外科医の集まりであり、私自身もそんな先輩外科医の熱い教育を受けて育ちました。私は現在大学院に所属しておりますが、研究面においても素晴らしい業績を残している先輩が多く、そういった先輩方から研究、論文作成といったKnow Howを教育してもらっています。 第一外科は臨床、研究、教育という3本柱がバランスよく取れており、なんでもお互いに遠慮なく言い合える教室です。
■研修医の頃のお話を聞かせてください。
私たちはいわゆるストレート方式の時代に医師になりました。現在と違って医師免許を取得したその日から外科医でした。私の同期は10人いました。また私は他大学からの入局でしたので、とても不安だったのをよく覚えています。しかしすごく自然な流れで横のつながりができ、すぐお互いに仲間として頑張ることができました。今でも同期のつながりは強く、仲間として受け入れてくれたことにとても感謝しています。
研修医時代は本当によく働きました。採血、ルート確保、ポータブルレントゲン、クロスマッチetc.あの時代はなんでも研修医がやる時代でした。みんな汗水垂らしてよく働きました。そんな中でも術中や術後管理などで先輩医師から直接指導を受けたことは今でも鮮明に覚えており、私の外科医としての基盤となっています。
また、現在と違って研修医1年目から外勤にでていました。当直バイトです。医師になりたてのひよっこがいきなり一人で当直に出かけるのです。鞄にたくさん教科書を詰め込んで当直に出かけていました。ものすごく怖かったですが、度胸は身に付きました。そんな研修医時代でした。
■現在の勤務について教えてください。
私は現在、大学院医歯薬学総合研究科に所属しつつ大学病院 心臓血管外科で医科診療医として働いています。この年間で心臓血管外科領域の手術法は大きく変化し、発展しました。特に大動脈疾患においては企業性ステントグラフトが国内で承認され、大動脈瘤に対する治療方針が大きく変わってきました。
私は、ステントグラフト実施医(胸部大動脈 腹部大動脈)を取得させていただき、ステントグラフト治療を中心に診療に携わらせていただいております。ステントグラフト治療は従来法である人工血管置換術に比べ、体外循環を必要とせず、傷も小さく、出血量も少ない、術後早期退院が可能であるなどの手術侵襲を低減させる利点があり、必要不可欠な治療法となってきています。これからどんどん発展していく治療法であり、専門性の高い診療に参加できることに喜びとやりがいを感じながら仕事をしております。もちろん大動脈瘤だけでなく、虚血性心疾患や弁膜症など多岐にわたり診療に当たらせていただいております。
■学生さん、研修中の先生方にメッセージをお願いします。
外科医志望者が減少してきておりますが、いつの時代においても外科医は必ず必要であると思います。また、各分野で専門医制度が確立され専門性の高い仕事をするには専門医取得が不可欠であるという厳しい時代になってきました。そんな時代でも第一外科はみんなが平等に専門性を高め、専門医取得も可能である、そんなカリキュラムをみんなに提供できる外科医局です。
いろいろ辛いことがあるのも現実です。そんな時、すぐ隣にいつでも相談できる仲間がいます。それが第一外科です。SpecialとGeneral両方兼ね備えた外科医になりたい人、心臓血管外科、消化器外科、小児外科で迷っている人、熱く仕事をしたい人、我々と一緒に熱く働いてみませんか? いつでも待っています。