広島大学大学院 医系科学研究科 外科学

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【肝胆膵外科】肝胆膵外科グループのご紹介

 

スタッフ

 
 診療スタッフ   

   上村 健一郎  准教授

   住吉 辰朗   助教

   新宅谷 隆太  助教        

   岡田 健司郎  助教

   大塚 裕之   医科診療医

   馬場 健太   医科診療医

   川住 明大   医科診療医

   石田 駿斗   医科診療医

 

 肝胆膵グループ 大学院生

   白川 賢司

   原 鐡洋

   原田 拓光

 

1.特 色

 

 膵臓がん、胆道癌の治療は、肝胆膵外科グループの最重要課題です

 

 広島大学病院 肝胆膵外科グループでは、主に膵臓、胆道および肝臓の3臓器に生じる疾患の治療をメインテーマとし、特に膵癌、胆道癌の外科治療を中心に力を入れて診療を行っております。

 

 広島大学病院は、日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医修練施設(A) 認定施設で、広島県下に5つある修練施設(A)の1施設で、広島県下の肝胆膵外科の中心的役割を担っています。修練施設(A)は、高難度肝胆膵外科手術を、年間50例以上行っている施設で、当グループは、広島県内5認定施設のうちの1施設です。

 

 肝胆膵外科領域の診療では、消化器外科領域の中でも特に、膵臓、胆動、肝臓に関する専門的な知識が要求され、また、手術自体の難易度が高く、高度な技術が要求されます。日本肝胆膵外科学会指導医・専門医4名のスタッフが在籍しており、診療にあたっております。

 診断のエキスパートである消化器内科、病理診断科、放射線科、看護スタッフなど協力し合いながら、患者さんのベストの治療を提供いたします。周術期の栄養管理、リハビリテーションに積極的に取り組んでいます。

 

 また、外来化学療法センターと放射線治療室も充実して完備されているため、たとえ手術不能の進行癌であっても個々の患者さんにあった最良の医療を受けることができます。

 膵癌をはじめ肝胆膵領域に発生するがんは治療困難な場合が多く、最終的にがんの制御ができない事があります。緩和ケア科、放射線治療科、麻酔科などと協力、連携して患者さんに少しでも満足していただける医療を提供できるように努力しております。

 

 

2.主な対象疾患

 

 1、膵手術

  膵癌に対する膵頭部切除、膵尾部切除術

  膵良性・境界悪性疾患に対する膵縮小手術(膵部分切除・中央切除、脾臓温存膵体尾部切除)・腹腔鏡下手術

  慢性膵炎に対する膵ドレナージ手術

 

 2、胆道手術

  胆道癌(肝内胆管癌、肝門部胆管癌、遠位胆管癌)に対する、葉切除以上の大量肝切除

  

 3、胆嚢良性疾患

  胆石症、急性胆嚢炎、胆嚢腺筋腫症に対する胆嚢摘出術

  膵胆管合流異常症、胆道拡張症に対する胆道手術

 

 4、その他

  肝臓   転移性肝癌、肝嚢胞、肝細胞癌、肝内結石症

  胆道   十二指腸乳頭部癌、膵管胆道合流異常症、総胆管結石症

  膵臓   転移性膵腫瘍

  その他  外傷外科、脾臓腫瘍、副腎腫瘍、後腹膜腫瘍、十二指腸腫瘍

 

 

 当グループが行っている外科手術数

 

 当グループが行っている外科手術は件数は、膵手術は年間100件前後、葉切除以上の大量肝切除手術は年間20例程度です。

 胆石症・急性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術をはじめとする胆嚢良性疾患に対する外科治療は、年間40~50件行っています。

 

 

3.過去の疫学研究

 

切除膵がんに対する術後gemcitabine+S-1補助化学療法の有用性に関する後ろ向き研究
 
[目 的] 
 膵がんに対し根治切除後gemcitabine+S-1補助化学療法を施行した症例の生存率を術前切除可能性判定別に解析し、術後gemcitabine+S-1補助化学療法の有用性について検討することを目的としています。
[本研究の意義] 
 膵がんに対しては、本邦の膵がん診療ガイドラインにも示されているように切除後術後補助化学療法が施行されることが標準治療となっていますが、術後補助化学療法の実施方法については、現在、多くの臨床的研究が行われています。当科では、世界に先駆けて術後補助化学療法としてgemcitabine+S-1補助化学療法を実施してきました。その治療成績を術前の切除可能性判定別に解析することは、膵がんの新たな術後補助化学療法の確立に向けて大きな意義があると期待されています。
[対 象] 
 本院において2001年1月から2014年12月の間に膵がんに罹患し手術療法を受けた成人患者を対象としています。
[方 法] 
 評価項目に基づいたデータベースを作成するため対象者からの臨床情報はカルテから収集を行い個人情報保護の観点から連結匿名化を行います。連結可能匿名化された情報の管理に関しては広島大学の個人情報管理者が外部と遮断されかつセキュリティー上安全なコンピューターにおいて保管し、匿名化した臨床情報のみ本研究事務局である広島大学病院消化器外科において管理いたします。
 診療録より収集を行うデータは以下の項目です。対象者個人情報(年齢、性別)、画像診断情報(CT検査)、手術関連情報(術式、手術時間、出血量等)、術後合併症情報、病理組織および細胞診診断情報(膵がん取扱い規約に準ずる)、術前術後療法の情報(化学療法、放射線療法等)、術前後の血液検査情報、術後予後情報
[研究期間] 
 承認日~平成28年12月31日
[研究機関名] 
 広島大学大学院医系科学研究科外科学、広島大学消化器外科
 本研究は研究対象者の同意を得ることが困難であるため、本研究の実施についてデータの利用 目的を含む情報を公開しています。
 
 
動脈接触局所進行膵癌に対する術前gemcitabine+S-1補助化学療法の有用性に関する後ろ向き研究
 
[目 的] 
 腹腔動脈、上腸間膜動脈、肝動脈に腫瘍が接する局所進行膵癌に対し、術前gemcitabine+S-1補助化学療法後の外科的切除が動脈接触膵癌患者さんの生存率を向上させることが可能かどうかを検討することを目的としています。
[本研究の意義]      
 腹腔動脈、上腸間膜動脈、肝動脈に腫瘍が接する局所進行膵癌に対する手術先行治療の成績は、その生存期間中央値は約12か月と報告され、化学療法、化学放射線療法などの非手術的治療における生存期間中央値15-17ヶ月に比べると予後不良であり、これら動脈接触局所進行膵癌に対しては各施設で術前治療後の外科的切除が一般的に試みられています。
 当科では、動脈接触局所進行膵癌に対しては、2008年よりgemcitabine+S-1による術前補助化学療法後の外科的切除を施行してきました。今回の解析では、これらgemcitabine+S-1による術前治療症例の成績を解析するもので、術前治療による動脈接触局所進行膵癌の良好な成績が得られるならば、動脈接触局所進行膵癌患者に対する新たな治療戦略としての意義は大きいものと考えられます。
[対 象]
 本院において2001年1月から2014年12月の間に、遠隔転移はないが腹腔動脈、上腸間膜動脈、肝動脈に腫瘍が接する局所進行膵癌と診断された成人患者を対象としています。
[方 法]
 対象期間中の動脈接触局所進行膵癌症例を選び出し、動脈接触局所進行膵癌に対する術前gemcitabine+S-1補助化学療法が、動脈接触局所進行膵癌に対して有用であるかどうかを統計学的に解析します。また、術前gemcitabine+S-1補助化学療法を施行した動脈接触局所進行膵癌において、どのような患者さんに術前gemcitabine+S-1補助化学療法が有用であるかを統計学的に解析します。
 評価項目に基づいたデータベースを作成するため対象者からの 臨床情報はカルテから収集を行い個人情報保護の観点から連結匿名化を行います。連結可能匿名化された情報の管理に関しては広島大学の個人情報管理者が外部と遮断されかつセキュリティー上安全なコンピューターにおいて保管し、匿名化した臨床情報のみ本研究事務局である広島大学病院消化器外科において管理いたします。
 診療録より収集を行うデータは以下の項目です。
 対象者個人情報(年齢、性別)、画像診断情報(CT検査)、手術関連情報(術式、手術時間、出血量等)、術後合併症情報、病理組織および細胞診診断情報(膵癌取扱い規約に準ずる)、術前術後療法の情報(化学療法、放射線療法等)、術前後の血液検査情報、術後予後情報
[研究期間]
 承認日~平成28年12月31日
[研究機関名] 
 広島大学大学院医系科学研究科外科学、広島大学消化器外科
 本研究は研究対象者の同意を得ることが困難であるため、本研究の実施についてデータの利用目的を含む情報を公開しています。
 

 

課題:胆管癌におけるHu-antigen R発現の臨床病理学的検討

 

[目 的]

 胆管癌に対して根治切除後を施行し、切除した癌組織に存在する癌細胞内のHuRというタンパク質の発現と、予後などの癌の悪性度や薬剤耐性との関連を分析することを目的としています。

[本研究の意義]

胆管癌は予後が不良な癌の一つとされています。現在、胆管癌に対する治療として、手術に加えてジェムザールを中心とした化学療法などが行われています。

最近では、癌患者さんの治療成績を改善するため、個々の患者さんそれぞれに最良の治療を選択できるようにする試みが研究されています。その一つの方法としてHuRというたんぱく質の発現をみることで、癌の予後や薬剤耐性が予測できるという報告があります。HuRは、癌の進行に関係する多種のたんぱく質の生成を制御しています。

本研究で胆管癌におけるHuR発現が予後や薬剤感受性に影響することが明らかになると、胆管癌における予後の予測や治療方針の決定の際に有用になるという意義があります。

[対 象]

本院において1998年1月から2014年12月の間に胆管癌に罹患し手術療法を受けた成人患者を対象としています。

[方 法]

本研究は,治療を目的として行った手術で切除した癌組織と、カルテからの情報を収集して行います。

癌細胞内のHuR発現を免疫染色法により観察し、癌の悪性度に関係するデータとの関連を統計学的に解析します。

カルテから採取した臨床情報は、個人情報保護の観点から連結可能匿名化を行います。データは外部と遮断されかつセキュリティー上安全なコンピューターに保管します。データ解析の際には匿名化された情報のみを扱い、個人を特定できる情報は含みません。

カルテから収集を行うデータは以下の項目です。

年齢、性別、手術関連情報(手術日、術式)、病理組織診断情報(胆道癌取扱い規約に準ずる)、術後治療、術後経過情報

既存資料のみを用いた研究ですので、研究対象者への身体的な危険や負担はありません。個人情報の取り扱いにも十分配慮します。情報が個人を特定する形で公表されたり、第三者に知られたりするなどのご迷惑をお掛けすることはありませんのでご安心ください。

[研究期間]承認日~平成30年12月31日

 

 本研究は研究対象者の同意を得ることが困難であるため、本研究の実施についてデータの利用目的を含む情報を公開しています。

 

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  不利益が生ずることはありません。    

 
 
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 上村健一郎 
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