広島大学第一外科末梢動脈疾患グループ(通称PUMPKIN group)の活動報告
近年、末梢動脈疾患は増加の一途をたどり、現在無症候性も含めると70代以上の5%、80代以上の20%が罹患しているとの報告もあります。
このため当外科学 心臓血管外科グループでは、2019年10月より県内主要9施設が参加して、末梢動脈疾患グループが発足しました。
A Prospective and Retrospective, Multi-Center PAD Study of Hiroshima University Group for Risk Analysis of Survival and Patency (PUMPKIN)、通称Pumpkin groupとして活動しております。
当グループの活動は定期的なwebによる会議、末梢動脈疾患のデータ登録、多施設共同研究など多岐に及んでいます。
参加施設およびコアメンバー
代表 広島大学大学院医系科学研究科 外科学 教授 髙橋信也
参加施設 JA広島総合病院 心臓血管外科 小林平、岡崎孝宣、友田真由
JA尾道総合病院 心臓血管外科 佐藤克敏、児玉裕司
広島大学病院 心臓血管外科 髙崎泰一、井上理紗
土谷総合病院 心臓血管外科 望月慎吾
福山循環器病院 心臓血管外科 二神大介
県立広島病院 心臓血管外科 小澤優道
東広島医療センター 心臓血管外科 前田和樹、江村尚悟
安佐市民病院 心臓血管外科 橘仁志
呉医療センター 心臓血管外科 平岡俊文、清水春菜
現在までの末梢血管治療数の推移
当グループでは2010年1月からのデータを登録しております。2021年12月まで過去11年で約5500例の末梢動脈疾患治療を行いました。
現在までの治療推移
血管内治療の進歩もあり、治療数は年々増加傾向にあります。
当グループでは現在も月単位で症例登録を継続しております。2022年1月現在、月60~80例の症例が登録されております。
上記データベース登録は主研究機関である広島大学病院、他各施設の倫理委員会にて承認を得ています。
多施設共同前向き研究
当グループではウシ心膜パッチを用いた大腿動脈内膜摘除術の多施設共同研究を行っております。大腿動脈内膜摘除術用ウシ心膜パッチは2020年承認された新規材料で、その報告は限られております。当グループでは約3年間で150例の調査を目標とし、現在各施設で症例登録、遠隔成績調査中です。2022年1月現在76例の症例が登録されております。
主研究機関:JA広島総合病院
研究課題名:大腿動脈閉塞性疾患に対するウシ心膜パッチを用いた内膜摘除術の有用性
廣島総合病院倫理委員会承認:審査番号21-1
Web会議
当グループでは、1ヶ月に1回程度、参加9施設の代表者がWeb会議を行っております。末梢動脈疾患にかかわる情報交換や症例検討を行っており、今後の広島県の末梢動脈疾患の治療の発展に寄与したいと思っております。