膵癌(すいがん)教室 on the web 7
はじめに
膵癌の患者さんやそのご家族、また膵がんについて正しい知識を学んでみたいとおもわれている方に、
膵がんの正しい情報をできるだけわかりやすくお伝えするページです。
膵癌(すいがん)の画像診断
画像診断により、膵臓(すいぞう)とその周りの組織の情報をえることができます。
膵がんの診断や治療経過のモニタリングにとって、
画像診断は最も大切な検査といえます。
膵がん診断では、
CT
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コンピューター断層撮影
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Computed Tomography
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EUS
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超音波内視鏡
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Endoscopic Ultrasound
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MRI
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磁気共鳴画像
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Magnetic Resonance Imaging
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PET
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陽電子放射断層撮影
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Positron Emission Tomography
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ERCP
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内視鏡的逆行性胆管膵管造影
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Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography
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などを用いて検査を行います。
EUS: Endoscopic Ultrasound, 超音波内視鏡検査
先端に超音波検査装置が付いている胃カメラの検査です。
膵臓(すいぞう)の細かいな描出が可能で、組織を採取することも可能です。
患者さんは内視鏡(胃カメラ)と同じ要領で、口からファイバーをいれて検査します。
胃や十二指腸の壁を通して、膵臓(すいぞう)腫瘍の大きさ、性状、周囲組織との関係を観察します。
胃や十二指腸から針を刺して、腫瘍組織を一部採取したり、
内容物を吸引したりすることも可能です。(EUS-FNA)
採取した組織や細胞から病理学的な診断(顕微鏡による診断)を行い、画像診断と併せて確定診断を行います。
病気の部位をより近い場所から観察ができるため、
CT検査に比べてくわしい画像情報を得ることができる検査です。
膵がんの切除可能性分類は、通常、造影剤を使ったCT検査の情報をもとに行いますが、
超音波内視鏡検査の画像情報はその精度を高めてくれる意味でも大変有用です。
切除可能性分類とは:
膵癌(すいがん)を手術で切除することを想定して
通常の手術(標準手術)で癌を残らずきれいに取ることができるかどうか?という視点で作られた分類です。
切除可能 (R, Resectable) ---------------------がんを残さず取ることができる可能性が高い
切除可能境界 (BR, Borderline Resectable)-----顕微鏡レベルでがんが残る可能性が高い
切除不能 (UR, Unresectable)-------------------肉眼的レベルでがんが残る可能性が高い
の3つに分類されます。
超音波内視鏡検査(EUS)
膵頭部~体部に1.5cm大の腫瘍性病変を認めます。EUS検査では、胃または十二指腸の壁を通してエコー検査をすることが可能で、詳細に腫瘍の性状、大きさを評価することが可能です。
また、内視鏡の先端からカテーテルを挿入し、エコーを使いながら腫瘍の針生検を行うことができることも特徴です。
膵癌(すいがん) 教室 on the Web 7 おわり
膵がんは増えていると同時に、ここ最近の診断や治療の進歩にはめざましいものがあります。
「膵癌 (すいがん)教室 on the WEB」では、
膵がん診療の最新情報をわかりやすく不定期で解説していきます。
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2019.4.9