膵癌(すいがん)教室 on the web 3
はじめに
膵癌の患者さんやそのご家族、また膵がんについて正しい知識を学んでみたいとおもわれている方に、
膵がんの正しい情報をできるだけわかりやすくお伝えするページです。
膵臓には、おもに2つの働きがあります。
主な消化酵素としては
炭水化物を分解するアミラーゼ
タンパク質を分解すトリプシン
脂肪を分解するリパーゼ などがあります。
外分泌機能が低下すると消化が悪くなり
せっかく食べたものを効率よく分解することができなくなり
栄養素を体に取り込むこむ力が低下します。
その結果、低栄養にになってしまいます。
このような状態を膵外分泌機能障害といいます。
消化酵素製剤による膵酵素補充療法が必要になります。
膵癌(すいがん)に対する手術では、膵臓を約半分程度切除する場合が多く
膵外分泌機能も約半分に低下します
そのため術後には膵外分泌機能障害による低栄養を予防する目的で
消化酵素製剤を内服します。
具体的には、一般名パンクレリパーゼ(商品名 リパクレオン)を内服します。
http://pathology.jhu.edu/pancreas/basicoverview3.php?area=ba
膵癌(すいがん)に対する手術では、膵臓を約半分程度切除する場合が多く
膵内分泌機能も約半分に低下します。
膵内分泌機能障害で最も問題のとなるのは
血糖を下げるインスリンの分泌が低下することによる糖尿病です。
膵臓を切除することが原因で、
インスリンの分泌が低下し糖尿病となることがあります。
これを膵性糖尿病といいます。
膵切除で膵臓のボリュームが半分になると
膵内分泌機能(インスリンを出す力)も約半分に低下します。
しかしもともと膵内分泌機能には予備力がある人が多く
新たに糖尿病となる人は手術した人の約10-20%です。
用語説明
細胞が生体にとって特殊な用途をもつ生産物を排出すること
食べ物を消化や分解し、栄養素を吸収しやすくするため酵素
膵臓(すいぞう)で作られた消化酵素などの通り道
消化酵素を含んだ膵液は膵管を通って十二指腸に送られます。
十二指腸で食べ物と消化酵素を含んだ膵液が混ざって
消化が行われます。
消化酵素をつくるはたらきが低下している状態
消化酵素のお薬を内服することで治療します。
膵がつくるホルモン、一般的にはインスリンの分泌が低下する状態をさします。
膵(すい)がん教室 on the Web 3 おわり
膵がんは増えていると同時に、ここ最近の診断や治療の進歩にはめざましいものがあります。
膵がん診療の最新情報をわかりやすく不定期で解説していきます。
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