膵癌のコンバージョン手術とは Conversion surgery for pancreatic cancer
診断されたときには「切除不能」と判断された膵がんでも、抗がん剤治療を続けることでがんが小さくなったり、血管への広がりが軽くなったりして、後から手術で取りきれるようになることがあります。この、治療によって「切除できない」状態から「切除できる」状態に変わったあとに行う手術のことを「コンバージョン手術(転換手術) 」と呼びます。
どのような場合に検討されるか
- 局所進行(周囲の血管に広く及んでいるが遠くへの転移はない)膵がんに対して、まず6か月程度の抗がん剤治療を行います。
- 治療の効果を、CT・MRIなどの画像検査、血液検査(CA19-9、DUPAN-2などの腫瘍マーカー)、体調の変化(痛みの軽減、体重や栄養状態の改善など)で確認します。
- がんが小さくなり、血管への広がりが軽くなるなど、手術で完全に取りきれる可能性が高いと判断された場合に、手術が検討されます。
- 遠くの臓器に転移がないことも、手術を検討するための大切な条件です。
治療の流れ
- 複数の薬剤を組み合わせた抗がん剤治療を数か月間行います。
- 必要に応じて放射線治療を組み合わせることもあります。
- 定期的に画像検査や血液検査で効果を確認します。(通常CT検査は3か月毎、腫瘍マーカーは1か月毎)
- 効果が十分であれば、専門的な経験を持つ施設で手術が行われます。血管に近い場所の手術になるため、血管そのものを一部切除して再建する手術が必要になることもあります。
- 手術後も、再発を防ぐために抗がん剤治療を継続することが一般的です。
知っておいていただきたいこと
- コンバージョン手術は、すべての患者さんに行えるわけではありません。治療への反応が十分でない場合や、体力的に手術に耐えられないと判断された場合は、抗がん剤治療を継続する方針となります。
- 手術は血管の近くを扱うため、通常の膵臓の手術より難易度が高く、合併症のリスクも高くなる可能性があります。そのため、経験豊富な専門施設での実施が推奨されます。
- 手術によって完全にがんを取りきれた場合(いわゆる「R0切除」)は、手術を受けなかった場合や不完全な切除にとどまった場合と比べて、生存期間が大きく改善することが報告されています。
- 一方で、コンバージョン手術は治療効果や体の状態を慎重に見極めながら判断される、個別性の高い治療選択です。担当医とよく相談しながら、治療の進め方を決めていくことが大切です。

