膵癌（すいがん）とは？

一般的に膵癌（すいがん）と呼ばれる病気は、

正式には「浸潤性膵管癌」（しんじゅんせいすいかんがん）、

英語では、Pancreatic Invasive Ducatal Adenocarcinoma (PDAC) といいます。

消化酵素をふくんだ膵液（すいえき）の通り道である膵管（すいかん）にできる癌です。

ホルモンをつくる機能を持った神経内分泌細胞からできる腫瘍である、

「神経内分泌腫瘍（Neuroendocrine tumor： NET）」という病気も膵臓にできますが、

その症状や、診断、治療法が「浸潤性膵管癌」と異なるため別項で解説します。

膵癌の危険因子は？

家族歴、糖尿病、肥満、慢性膵炎、喫煙、アルコールなどが危険因子とされています。

膵癌の発症は糖尿病になって2年以内が最も多いため、糖尿病は膵癌発見の契機となることがあります。

喫煙や慢性膵炎は糖尿病患者の膵癌リスクを高くするといわれています。

家族性膵癌とは？

親、兄弟姉妹、子供などの第一度近親者に2人以上の膵癌患者がいる家系に発生する膵癌。

家族性膵癌の家系では、そうでない家系に比べて、膵癌発生率が高いことが知られています。

膵癌になる危険性は、第一近親者に膵癌患者が1人いると4.5倍に、 

2人いると6.4倍に、 3人いると32.0倍になるといわれています。

膵癌の症状は？

腹痛、食欲不振、早期の腹満感（食べるとおなかがはる）、

黄疸（おうだん）、体重減少、糖尿病の新規発症などがあります。

膵癌以外の病気でも同様の症状はあるため、特有の症状とはいえませんが、

糖尿病の新規発症や悪化、黄疸などは比較的特有の症状といえます。

急に糖尿病になった場合や、糖尿病の数値（HbA1c 値など）が急速に悪化した場合には，

膵癌の可能性も考慮して診断のための検査を行うことをおすすめします。